鮭の卵の文章

20代男性のブログです

星宮とと+TEMPLIME「TIMESURF」は僕たちが求めていたガールズ "ミュージック" ストーリーだ

 こんにちは、新社会人になり東京に吸い込まれ初一人暮らしを始めた鮭卵です。

環境の変化と一人暮らしの出費の多さとコロナのライブ中止などで屍のような生活をしている私ですが、ある一枚のCDについてどうしても書きたい衝動にかられたので明日早いけどPCに向かっております。

 

 

 今回私が書きたいCDはこちらです。

星宮とと+TEMPLIME「TIMESURF」

 

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 CDをのせたばかりなのだけれど少しだけ自分語りを。

テンプライムと星宮ととに出会ったのは1枚目のalpha.epがでてしばらくたった時だと思います、Twitterのフォロワーがひどく推していたので聴いたらドハマり。それ以降ずっと追いかけているアーティストで今作ももちろんboothで購入しました。

 

 しかし正直今作に大きな期待はしていませんでした。

 

理由として星宮ととが別名義で参加しているstargaze shelterの「first draft」があまりにもクオリティが高くこれを超えられる思っていなかったこと。


そしてもう一つにバーチャル音楽界隈(個人勢)に肌が合わなくて見るのが少しつらかったこと、があげられます。

 もともと私の好きな音楽はフジファブリックMr.ChildrenART-SCHOOLandymori、For Tracy Hydeのようなバンドミュージックであり、同人音楽に触れるのは本当につい最近で、TLにあがるDJイベントの熱量についていけないという哀しい陰キャなのです。

 

そんなバーチャル音楽から少し離れていた私ですが、今作の「TIMESURF」はそんな気持ちをぶち壊してくれました。

 しょーない自分語りは終えて、作品の話を。

 


 まず「TIMESURF」は普通の音楽CDとは違います。

写真にも上げた通りこの作品はCDと小説で一つの“作品”になっています。

なんのこっちゃですがものすごーーーーーく簡単に言うと

ボイスドラマ+音楽CD+原作小説

となっております。

曲順を見てみましょう。

 

1 水平線のテーマ - KBSNK
2 届けもの (eps.1) - 星宮とと+藤沢ハルカ
3 desktop session - KBSNK
4 サウンド研 (eps.2) - 星宮とと+藤沢ハルカ
5 two notes
6 海にて、呟く (eps.3) - 星宮とと+藤沢ハルカ
7 二人の空間 - KBSNK
8 些細なすれ違い (eps.4) - 星宮とと+藤沢ハルカ
9 夏の終り、君の詩 - KBSNK
10 夢日記 - 藤沢ハルカ
11 花言葉 (eps.5) - 星宮とと+藤沢ハルカ
12 summer dreamin’
13 波打ち際のワープ
14 仲直り (eps.6) - 星宮とと+藤沢ハルカ
15 繰り返す夏休み - KBSNK
16 ネットサーフ (eps.7) - 星宮とと+藤沢ハルカ
17 farway stars (eps.8) - farway stars
18 なおざり
19 17歳 (eps.9)
20 ともだち - 星宮とと+藤沢ハルカ
21 デジタルタトゥー (eps.10) - 星宮とと+藤沢ハルカ
22 タイムサーフ

 

 

 

onボーカル曲もただ曲が間にあるだけでなくストーリー上で必要不可欠な演出となっております。そしてこのCDと小説、そしてCDの歌詞カードでやっと完結します この中の(eps.〇)となっているのと#13がボイスドラマパートとなっており、KBSNKと記載があるのがKBSNK作曲のインストトラックで、それ以外の6曲がonボーカル曲です。

つまり、このCDは1枚でひとつのストーリーであり『みえない映画』なのです。

 

まぁ詳しいCDの概要はこちらをみてくだい。

そして購入しましょう。

templime.booth.pm

 

 

  やっっっっと本題なのですが、この作品がわたしのこんな駄文を書かせている理由を。(軽度なネタバレを含みます)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いきなり何を言うとんねんって感じですが、私はGL(ガールズラブ)、いわゆる百合という作品が大好きでありまして、引っ越しの際泣く泣く300冊以上の百合漫画を置いて行った悲しい過去を背負っております。

 

 なぜこんな話をするかというと、この作品がガール・ミーツ・ガール、というよりはガールズストーリーとなっているからです。

 

音楽+百合というジャンルは量は多くはないのですが非常に相性がよく

百合漫画ではアフターアワーズ*1キャッチャー・イン・ザ・ライ*2、なでしこドレミソラ*3 、音楽要素は薄いですが、ささやくように恋を唄う*4など

アニメではAngel Beats!*5リズと青い鳥(響け!ユーフォニアム)*6 、けいおん!*7など

さらには著名なアーティストが百合要素のあるMVを作成( RADWIMPS「光」、フレデリック「たりないすくない」、CHiCO with HoneyWorks「醜い生き物」*8、BiSH「オーケストラ」など)しているなど、大好きなジャンルなのです。

 

 「TIMESURF」を聴いて私は思いました。

 

 

 

 

『これこそ自分が求めていた音楽+ガールズストーリーだ!!!』

 

 

 

 本当にできるだけネタバレはしたくないので詳しい内容は書きませんが、青春時代のひと夏の出会いと別れ、この王道ストーリーが何よりも愛しいのです。

 

また少し具体的な曲の内容になるのですが、好きな点をあげたらきりがありません。

前作クラウドダイバーを聴いた人に衝撃を与えた小説の6,7ページ、『two notes』のイントロ、小説を読んだ後に聴く#9の語らない美しさ、そして#9からの『夢日記』のはかなさ、ストーリーとあまりにも合致していて物語に吸い込まれるような感覚になる『なおざり』、全リスナーが言葉を失ったであろう『ともだち』、#21の『デジタルタトゥー』というタイトルと最後の最後の伏線回収、そして悔しいくらい明るいメロディと軽やかな歌い方が沁みるなんてもんじゃないエンディング『タイムサーフ』、、、深夜に私は涙をこらえるのに精一杯でした。

 

 

 

 

 

 

 GLストーリーとしてのこの作品の愛を語らせていただいたのですが、もう一つだけどうしても書き出したいことがあるのです。

 

 

 二週目を聴き終わった後、私はまた別の一つの作品が頭によぎりました。それは

 

 

Balloon at dawn 「Girls around the gate」「あたらしい海」「hanagumori」の3つのMVです。

 

 

 これは私をドリームポップにハマるきっかけであり、今でもNo.1ドリームポップバンドのBalloon at dawnの最後のアルバム収録曲(後者2曲)であり、3つのMVのストーリーがつながった作品となっています。

私は勝手にBalloon at dawnガールズラブ三部作と読んでおります。怒られそう。

 

 

 詳しくはネタバレなので言えませんが、この三部作と「TIMESURF」の世界観に

近いところを感じ、このMVを見ながら「TIMESURF」に浸りエモくなるというどっちにも怒られそうなことをしてしまいました。怒らないで。

是非「TIMESURF」を聴いた方はこのMVも見てほしいと切に願っております。

特に『hanagumori』は音楽史に残すべき傑作です。

 

youtu.be

youtu.be

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 さて、長々と語らせていただきました、もう月曜になってしまいました。出社じゃん。ここまで読んでくださった方ありがとうございます。こんな文章力もまとまりもない駄文でも、少しでも愛と衝動が伝わっていたらうれしいです。

 

 そしてこんな大傑作を作り出してくれた星宮ととs、ととねえ、カボスニキ、そして藤沢ハルカsに感謝です。ここ5年でトップの作品です。

見えない映画“第二作”を期待しています。もちろん純粋な新譜も。

コロナが終わったら勇気出してイベントも行きます。

 

 僕はこれからサンクラでとある曲を検索してから寝ようと思います。

それでは!

 

*1:著;西尾西尾雄太 全3巻、クラブハウスでのガールミーツガールから始まるDJ社会人百合、メインの二人はもちろんサブキャラクター達も個性豊かで大人の青春って感じが最高

*2:著;背川昇 監修;般若/R-指定 全2巻、青春百合ラップ・コミック、トランスジェンダーにも踏み込んだ作品でパワフルな一枚絵が素晴らしい

*3:著;みやびあきの 全5巻、和楽器みよるバンドを題材としたきらら作品、心温まる優しい物語と美しい演奏シーンが魅力

*4:著;竹嶋えく 既刊4巻、百合姫を引っ張る青春バンド漫画、王道に王道を貫く展開が大好き、個人的次に映像化されるだろう百合漫画

*5:岩ひさは俺のすべて

*6:リズ青を超える映像作品にまだ出会えていない、edのHomecomingsの「Songbirds」は必聴

*7:言わずもがな

*8:「裏世界ピクニック」ed、いくら百合要素の多い作品のedといえ、ハニワが百合要素のある映像を出したということに震撼、影響力のあるハニワがマイノリティに寄り添った作品を発信してくれたことに感動を覚えたのは言うまでもない